新盆とは故人の死後、四十九日の忌明けを過ぎてから初めて迎えるお盆の事をいい、初盆などとも呼ばれます。
毎年夏になると故人や先祖の霊を祀るためにお盆が行われますが、
この新盆では僧侶や知人を招いて法要を行うなど、あらかじめ準備しておく事が多く、それに伴い用意する物品や供養の流れなどをきちんと把握しておく必要があります。
そこで今回は新盆を迎えるにあたって知っておく、必要な準備について紹介していきます。
新盆で必要な物
新盆の際にはいくつか用意しなければいけないものがあるため、以下にご紹介します。
精霊棚(しょうりょうだな)
精霊棚は祖先の霊を迎えるための棚のことで、その年の作物や精霊馬を供えます。
精霊棚は、仏壇の前に飾り付けます。このとき位牌を取り出しておき、精霊棚の中央に飾ります。
必要となる材料はいくつかありますが、仏具店などでセットになっているものを購入できるので、それを使えば問題なく組み立てができると思います。
精霊馬(しょうりょううま)
精霊馬は精霊棚に供える物のひとつで、祖先の霊を迎えるために必要なものだとされています。
きゅうりやなすに、割り箸やつまようじで足をつけて作る、馬や牛の飾りです。
きゅうりの馬は迎え盆に「足の速い馬に乗って、早くあの世から帰って来られるように」
なすの牛は送り盆に「足の遅い牛に乗って、ゆっくりあの世に戻って行けるように、この世からたくさんの供物を積んで楽に帰れるように」
という願いがこめられています。
この馬や牛たちは、 食べずに、送り火の時に燃やしてしまいます。
こうすることで、牛や馬が天国に連れて行ってくれる、という意味合いも込めているそうです。
盆提灯
盆提灯は、祖先の霊が迷わず家にたどり着けるように灯しておく提灯で、玄関や部屋の窓際、仏壇の前などに吊るします。
これには白提灯と絵柄の入った提灯の2種類がありますが、新盆では故人の霊が初めて帰ってくるお盆なので、白提灯を使います。
新盆で使用した白提灯は、送り火で燃やす、あるいはお寺で供養してもらいます。事前にお寺に確認をとっておくといいでしょう。
白提灯はローソクの火を灯せるようになっていますが、危ないので火を入れないで、ただお飾りするだけで迎え火とする場合も多いです。
白提灯は遺族の近親者から送られることが多いですが、近年は「御提灯代」として遺族に現金を渡し、そのお金で提灯を購入するというケースが増えています。
最近は安全のために盆提灯用のローソク電池灯もあります。
蓮やほおずきなどのお供え花
お盆にご先祖にお供えする花には特に決まりはありませんが、この時期には生花店で蓮やほおずきの入ったお供え花が売られます。
蓮の花は「花びらを船にして先祖の霊が帰って来る」、
ほおずきは「先祖の道を照らすちょうちんになる」
という願いが込められているそうです。
前述した通り、お供えする花に決まりはないので、蓮やほおずきでなくても、故人の好きだった花などを選んでも良いですね。
だんごなどのお供え物
お供えの食べ物は日替わりで用意します。
13日の迎え盆にはあんこつきの「お迎えだんご」、
14日はおはぎ、
15日はそうめん、
16日は「送りだんご」という白いだんご
が一般的です。
ただし現在ではお盆の期間中、同じものをお供えするケースもあるようで、日替わりで変えるという風習はあるものの、そこまで厳密に行われているわけではないようです。
最後に
必要な物品についてご紹介させていただきましたが、いかがでしょうか?
今回紹介させてもらったものは、あくまで一般的なものなので、地域やご家庭によって異なる部分もあると思います。
一般的な予備知識として参考にしていただき、周りの方に聞いて必要なものを準備するようにしてくださいね。